民間企業の障害者雇用率、業種別データ|実雇用率2.41%と達成企業46.0%の実態・業種差の要因・雇用率が高い業種と伸び悩む業種の特徴・納付金制度の影響

制度・法律・助成金

民間企業の障害者雇用率、業種別データ|実雇用率2.41%と達成企業46.0%の実態・業種差の要因・雇用率が高い業種と伸び悩む業種の特徴・納付金制度の影響

Inclusive Work 編集部

民間企業の障害者雇用率、業種別データ|実雇用率2.41%と達成企業46.0%の実態・業種差の要因・雇用率が高い業種と伸び悩む業種の特徴・納付金制度の影響

民間企業における障害者の実雇用率は2.41%で、法定雇用率2.7%に対して依然として開きがあり、法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%にとどまる。業種によって障害者雇用率には明確な差があり、電気・ガス・熱供給・水道業や医療・福祉など特例子会社の活用や定型的な業務の切り出しが進みやすい業種で雇用率が高くなりやすい一方、情報通信業など専門性の高い業務が中心の業種では伸び悩む傾向がある。採用・人事担当者は自社の業種特性を踏まえた雇用計画の立案が求められる。

民間企業の障害者雇用率、業種別データ|実雇用率2.41%と達成企業46.0%の実態・業種差の要因・雇用率が高い業種と伸び悩む業種の特徴・納付金制度の影響の要点まとめ

民間企業全体の実雇用率と達成状況の実態

厚生労働省が毎年公表している障害者雇用状況の集計結果によると、民間企業全体の実雇用率は2.41%となっており、法定雇用率2.7%を下回っている。法定雇用率は改定前は2.5%であったが、その後2.7%へと引き上げられた経緯がある。

法定雇用率の達成企業割合は46.0%にとどまっており、半数以上の企業がまだ法定雇用率を満たせていないのが現状である。この背景には、業種ごとの業務内容や職場環境、採用ノウハウの蓄積度合いに差があることが影響していると考えられる。

ただし、実雇用率や達成率はあくまで全業種の平均値であり、個々の企業や業種の実態を正確に表すものではない。自社の業種における一般的な傾向を把握した上で、自社固有の課題を分析することが実務上は重要になる。

業種によって雇用率に差が生まれる主な要因

業種間で障害者雇用率に差が生じる要因としては、まず業務内容の定型性が挙げられる。定型的・反復的な業務が多い業種では、障害の特性に応じた業務の切り出しがしやすく、結果として雇用が進みやすい傾向にある。一方、専門資格や高度な対人折衝が前提となる業務が中心の業種では、業務の切り出しに工夫が必要になりやすい。

次に、特例子会社やグループ適用制度の活用状況も業種差に影響する。特例子会社を設立し、清掃・軽作業・データ入力といった業務を集約している企業グループでは、雇用率が高く出やすい構造がある。

また、企業規模の分布も業種によって異なる。常用労働者37.5人以上の事業主は障害者雇用の対象となるため、中小企業が多い業種と大企業が多い業種とでは、雇用管理体制の整備状況に差が出やすい。この点も業種別データを読み解く際に考慮すべきポイントである。

雇用率が高い傾向にある業種の特徴

厚生労働省の集計結果を継続的に見ていくと、電気・ガス・熱供給・水道業や医療・福祉などの業種では、他業種と比較して実雇用率が高めに出る傾向が続いている。これらの業種では、特例子会社の設立や、清掃・設備管理・事務補助といった定型業務の切り出しが進んでいるケースが多い。

ただし、これは業種内のすべての企業に当てはまるわけではなく、同じ業種内でも個社によって取り組み状況にはばらつきがある。障害の特性は個人差が大きく、同じ職種であっても一人ひとりに合わせた配慮や業務設計が必要になる点は、業種を問わず共通の前提である。

採用担当者としては、自社と同業種の先進企業がどのような業務設計や職場環境整備を行っているかを情報収集することが、実務上の第一歩になりやすい。

雇用率が伸び悩みやすい業種の共通点

情報通信業や教育・学習支援業、不動産業・物品賃貸業など専門性の高い業務や資格前提の業務が中心となる業種では、障害者雇用率が他業種に比べて伸び悩む傾向が指摘されることが多い。専門職としての採用を前提とすると母集団が限られやすく、業務の切り出しにも工夫が必要になるためである。

また、対人サービスの比重が大きい業種や、シフト制・交代制勤務が中心となる業種でも、勤務時間や業務内容の調整に一定の検討が必要になる場合がある。こうした業種であっても、業務の一部を切り出したり、在宅勤務やフレックス制度を組み合わせたりすることで雇用を進めている企業は存在する。

重要なのは、業種特性を「雇用が難しい理由」として固定的に捉えるのではなく、自社の業務プロセスを見直す機会として活用する視点である。

法定雇用率の対象拡大と納付金制度が業種に与える影響

法定雇用率の引き上げに伴い、対象事業主の範囲は常用労働者40.0人以上から37.5人以上へと拡大された。この結果、これまで対象外だった中小企業を多く抱える業種でも、新たに障害者雇用の義務を負う企業が増えている。

常用労働者100人超の事業主で法定雇用率を満たさない場合には、不足1人につき月額5万円(年60万円換算)の納付金の納付義務が生じる。納付金は業種を問わず未達成企業にとって一定のコスト負担となる。

一方で、常用労働者100人超で法定雇用率を上回って雇用している企業には調整金が支給される制度もあり、業種特性にかかわらず、雇用の進捗状況が直接的にコストへ反映される仕組みになっている点は、業種別データを見る際にも押さえておきたい前提である。

自社の業種特性を踏まえた採用・雇用管理の実務ポイント

業種別データはあくまで全体傾向であり、自社の採用計画を立てる際には、まず自社内の業務を棚卸しし、切り出し可能な業務があるかを洗い出すことが実務上の出発点になる。同業他社の取り組み事例を参考にしつつも、自社固有の業務フローに合わせた設計が欠かせない。

また、障害の種類や程度によって必要な配慮は大きく異なり、同じ業種・同じ職種であっても個人差が大きいため、一律の対応ではなく個別の状況に応じた業務設計や環境整備を検討することが求められる。

採用後の定着支援についても、業種特性に応じたリスクを事前に把握しておくことで、配置転換や業務調整の判断がしやすくなる。制度面の理解と自社の業務理解を組み合わせることが、実務担当者にとって最も現実的なアプローチといえる。

出典・参考情報

よくある質問

障害者雇用率は業種によって大きく異なりますか?

業種による傾向差はあるが、業種内の全企業に一律に当てはまるものではなく、個々の企業の取り組み状況によって大きく変わる。民間企業全体の実雇用率は2.41%で、法定雇用率2.7%を下回っている状況が続いている。

自社の業種が雇用率の低い業種に該当する場合、どうすればよいですか?

業種特性を理由に対応を先送りするのではなく、自社の業務を棚卸しして切り出し可能な業務を探すことが有効である。障害の特性は個人差が大きいことを前提に、同業種内で取り組みが進んでいる企業の事例も参考にしながら、個別の配慮を検討することが実務上のポイントになる。

法定雇用率を達成できない場合、業種を問わず費用負担は発生しますか?

常用労働者100人超の企業で法定雇用率が未達の場合、不足1人につき月額5万円(年60万円換算)の納付金の納付義務が生じる。これは業種を問わず適用される仕組みで、罰則というより雇用促進のための経済的な調整制度と位置づけられている。

法定雇用率の対象となる企業規模はどう変わりましたか?

対象事業主の範囲は改定前の常用労働者40.0人以上から37.5人以上に拡大されており、これまで対象外だった企業も新たに義務の対象となるケースが増えている。

自社の受け入れ体制、どこまで整っていますか?

16項目の無料セルフチェックで、採用ページ・受け入れ体制・定着支援・業務設計の現在地を3分で診断できます。→ 受け入れ体制診断チェックリストをやってみる

関連記事

何から着手すべきか、診断から始められます。

現行の採用ページ・求人票・応募導線を診断し、優先順位を提示します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました