障害者雇用納付金の計算と障害者雇用状況報告(ロクイチ報告)の書き方|法定雇用率2.7%・カウント方法・5月15日/7月15日の提出先と期限|無料の納付金シミュレーター・雇用率カウント計算機・助成金診断ツール付き

障害のある社員を雇用している企業の人事・総務担当者にとって、毎年の障害者雇用納付金の申告(5月15日まで・JEED)と障害者雇用状況報告(通称ロクイチ報告、7月15日まで・ハローワーク)は避けて通れない実務です。本記事では2つの手続きの違い、雇用率のカウント方法、納付金の計算の考え方を整理し、計算をその場で試せる無料ツールを紹介します。
納付金申告とロクイチ報告は何が違うのか|提出先・期限・集計期間の比較
障害者雇用に関して企業が毎年行う行政手続きは大きく2つあります。ひとつが障害者雇用納付金の申告(法定雇用率を上回っていれば調整金・報奨金の申請)、もうひとつが障害者雇用状況報告、いわゆるロクイチ報告です。名前が似ているため混同されがちですが、提出先も期限も集計の考え方も異なります。
納付金の申告は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)に対して行います。対象は常用労働者100人超の事業主で、前年度(4月1日から3月31日)の各月の常用労働者数と雇用障害者数をもとに年度で集計し、原則として4月1日から5月15日までに電子申告申請システムで申告します(出典:JEED https://www.jeed.go.jp/disability/koyounohu/index.html)。
一方のロクイチ報告は、毎年6月1日時点の障害者の雇用状況を、7月15日までに管轄のハローワークへ報告するものです。こちらは常用労働者数が一定規模以上のすべての事業主に提出義務があり、納付金の申告義務がない企業でも提出が必要です(出典:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/)。
- 納付金申告:JEED/5月15日まで/前年度の月ごとの実績を年度合計
- ロクイチ報告:ハローワーク/7月15日まで/6月1日時点の1日分
実務上は「同じ社員台帳から、集計の切り口を変えて2種類の書類を作る」と理解すると整理しやすくなります。
雇用率のカウント方法|重度・短時間・精神障害者の特例で人数と数字がずれる
どちらの手続きでも土台になるのが「雇用障害者数のカウント」です。ここでつまずく担当者が非常に多いのは、在籍している人数とカウント値が一致しないためです。
カウントは障害の種別(身体・知的・精神)と重度かどうか、そして週の所定労働時間の組み合わせで決まります。重度の身体障害者・知的障害者は1人で2カウント、週20時間以上30時間未満の短時間労働者は原則0.5カウントといった具合で、実際の在籍人数よりカウント値が多くなることも少なくなることもあります。精神障害者の短時間労働者については、当分の間1カウントとして扱う特例が続いています(出典:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/)。
さらに、納付金申告では「重度で2カウントか、それ以外で1カウントか」の区分が中心になるのに対し、ロクイチ報告では身体・知的・精神それぞれについて重度とそれ以外、短時間かどうかを分けて人数を記載します。同じ社員の情報でも、書類によって求められる切り口が違う点に注意が必要です。
この計算を毎年手作業でやり直すのは負担が大きく、手帳の等級変更や労働時間の変動を追いきれずに数字がずれる、というケースが実務では起こりがちです。
納付金・調整金・報奨金の計算の考え方|法定雇用率2.7%と不足1人あたり月額5万円
2026年7月から民間企業の法定雇用率は2.7%となり、対象は常用労働者37.5人以上の事業主に広がりました(出典:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/)。自社の常用労働者数に2.7%を掛け、小数点以下を切り捨てた数が、雇用しなければならない障害者数(法定雇用障害者数)です。
常用労働者100人超の企業でこの法定雇用障害者数に届かない場合、不足1人につき月額5万円(年60万円)の障害者雇用納付金を納めることになります。逆に法定数を超えて雇用している場合は調整金を、100人以下の企業で一定の要件を満たす場合は報奨金を受け取れる可能性があります(出典:JEED https://www.jeed.go.jp/)。
たとえば常用労働者200人の会社であれば、法定雇用障害者数は5人です。実際の雇用が3人分(カウント換算後)しかなければ2人分の不足となり、年間で120万円の納付金が発生する計算になります。逆に言えば、不足人数を早い段階で把握できていれば、採用や助成金の活用など、納付以外の選択肢を検討する時間が生まれます。
金額や要件は年度によって見直されるため、実際の申告にあたっては必ずJEED・厚生労働省の最新情報を確認してください。
無料で使える障害者雇用の実務ツール|納付金シミュレーター・雇用率カウント計算機・助成金かんたん診断
株式会社ビズモアでは、上記の計算をその場で試せる無料のWebツールを公開しています。ログイン不要で、入力した内容はどこにも送信・保存されないため、自社の実際の数字を入れて安心して試すことができます。
ツールは3つのタブで構成されています。納付金シミュレーターは常用労働者数と雇用障害者数(カウント換算後)を入れると、法定雇用障害者数との差分、年間納付金の概算、達成に必要な追加雇用人数を表示します。雇用率カウント計算機は手帳種別と週所定労働時間、人数を行ごとに入力するとカウント値の合計を出し、その値をそのままシミュレーターに引き継げます。助成金かんたん診断は自社の状況を選んでいくと、該当しそうな助成金・支援制度の候補と窓口をお知らせします。
ツールはこちらから利用できます: 障害者雇用 実務ツール(納付金シミュレーター・雇用率カウント計算機・助成金診断)
結果はあくまで概算・参考情報です。正確な金額や要件は厚生労働省・JEED・管轄労働局の最新情報を必ず確認してください。ロクイチ報告や納付金申告の時期に、毎年このページに戻って計算し直せるようにしておくと、担当者の負担をかなり減らせるはずです。
手作業の管理から一歩進めるために|Excel管理の限界と今後の見通し
多くの企業では、障害のある社員の手帳種別・等級・労働時間・手帳の有効期限をExcelで管理し、申告や報告の時期になるとその表から数字を拾い直しています。従業員規模が小さいうちは問題になりにくいのですが、法定雇用率の段階的な引き上げによって雇用すべき人数は年々増えており、管理対象が増えるほど転記ミスや期限の見落としのリスクは高まります。
特に精神障害者保健福祉手帳には有効期限があり、更新が漏れるとカウント対象から外れてしまいます。「雇っているのにカウントが減っている」という事態は、期限管理ができていれば防げるものです。
株式会社ビズモアでは、こうした毎月の管理から納付金申告・ロクイチ報告の根拠資料づくりまでを一つの台帳で回せる仕組みの提供を準備しています。まずは無料ツールで自社の現在地を確認していただき、管理の仕組み化にご関心のある企業のご担当者は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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