身体障害者手帳の等級と雇用率算定|等級区分・職務適性の考え方・重度該当のダブルカウント・法定雇用率2.7%と対象拡大・納付金調整金制度まで解説

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身体障害者手帳の等級と雇用率算定|等級区分・職務適性の考え方・重度該当のダブルカウント・法定雇用率2.7%と対象拡大・納付金調整金制度まで解説

Inclusive Work 編集部

身体障害者手帳の等級と雇用率算定|等級区分・職務適性の考え方・重度該当のダブルカウント・法定雇用率2.7%と対象拡大・納付金調整金制度まで解説

身体障害者手帳は1級から6級に区分され、雇用率算定では原則1人につき1カウント、手帳1級・2級などの重度に該当する場合は1人の雇用を2人分としてカウントします。2026年7月以降、法定雇用率は2.7%に引き上げられ、対象事業主の範囲も常用労働者37.5人以上に拡大されています。等級の数字だけで職務適性を判断せず、本人の状態を個別に確認したうえで配置を検討することが実務上のポイントです。

身体障害者手帳の等級と雇用率算定|等級区分・職務適性の考え方・重度該当のダブルカウント・法定雇用率2.7%と対象拡大・納付金調整金制度まで解説の要点まとめ

身体障害者手帳の等級区分とは

身体障害者手帳は、視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・内部障害(心臓、じん臓、呼吸器など)といった障害の種類ごとに、障害の程度に応じて1級から6級までの等級が定められています。数字が小さいほど障害の程度は重いとされ、一部の障害種別では7級の状態が単独では手帳交付の対象にならず、他の障害と合算した場合にのみ6級として認定される仕組みになっています。

等級は身体障害者福祉法に基づく認定基準によって決まりますが、同じ等級であっても障害の種類や部位、原因によって現れる困難さは大きく異なります。等級はあくまで身体機能の状態を示す指標であり、業務遂行能力や必要な配慮の内容を直接示すものではありません。

採用担当者は、等級の数字だけを見て配属や業務内容を機械的に決めるのではなく、本人への聞き取りや産業医・専門機関の助言を踏まえて、具体的にどのような配慮が必要かを個別に確認する姿勢が求められます。

等級と職務適性の関係——個人差を前提に考える

身体障害は種類も程度も多岐にわたり、同じ等級区分に属していても、通勤や作業環境、体力面での負担の感じ方には個人差が大きいことを前提に採用計画を立てる必要があります。肢体不自由の1級であっても、補装具や職場環境の調整によって定型業務を問題なくこなせる人もいれば、内部障害のように外見からは分かりにくい制約を抱える人もいます。

面接や配属検討の場面では、「◯級だからこの業務は難しい」といった一律の判断を避け、本人が実際にできること・配慮してほしいことを直接確認するプロセスを設けることが重要です。通院や体調管理のための柔軟な勤務時間、休憩の取りやすさなど、等級よりも実際の生活・体調パターンに合わせた調整のほうが定着に影響しやすいとされています。

社内での情報共有も、等級そのものより「どのような配慮があれば力を発揮できるか」という観点で行うと、現場の受け入れ体制が整いやすくなります。

雇用率算定における身体障害者のカウントルール

障害者雇用率制度では、雇用している身体障害者を単純に人数で数えるのではなく、障害の程度や週の労働時間に応じた「カウント方法」に従って算定します。原則として、常用労働者として雇用する身体障害者は1人につき1カウントですが、身体障害者手帳1級・2級など重度に該当する場合は、1人の雇用を2人分としてカウントする仕組みになっています。

また、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者については、原則0.5カウントとして扱われます(重度の場合は例外的な取り扱いがあるため、雇用形態を検討する際は最新の制度内容を個別に確認することが必要です)。

このカウントルールは、法定雇用率の達成状況を判定する分母・分子の計算に直接関わるため、採用担当者は雇用契約の労働時間や手帳の等級情報を正確に把握し、人事システム上で管理しておくことが実務上重要です。

法定雇用率2.7%と対象事業主の範囲

2026年7月以降、民間企業に適用される法定雇用率は2.7%に引き上げられています。対象となる事業主の範囲も、常用労働者37.5人以上を雇用する企業へと拡大されており、これまで対象外だった中小規模の企業も新たに障害者雇用義務の対象に含まれる可能性があります。

法定雇用率は段階的に引き上げられてきた経緯があり、改定前は2.5%だった雇用率が2.7%へ、対象事業主の範囲も常用労働者40.0人以上から37.5人以上へと変更されました。自社が対象事業主に該当するかどうかは、常用労働者数の算定方法(短時間労働者の扱いを含む)によって変わるため、最新の基準に沿って確認する必要があります。

人事担当者は、法定雇用率の引き上げに合わせて採用計画や雇用率の達成状況を定期的に見直し、対象事業主に該当する場合は障害者雇用状況報告書の提出義務なども踏まえて準備を進めることが求められます。

納付金・調整金制度と企業の実態

常用労働者数が100人を超える事業主は、法定雇用率を達成できない場合に障害者雇用納付金を納める義務があります。納付金は不足人数1人当たり月額5万円で計算され、年間に換算すると1人当たり年60万円の負担となる点は、採用計画やコスト試算の際に押さえておくべき数値です。

一方で法定雇用率を上回って障害者を雇用している事業主には、調整金や報奨金といった形で支援が行われる仕組みもあり、雇用率達成が単なる義務の履行にとどまらず、経済的なインセンティブとも結びついていることが分かります。

厚生労働省の集計によれば、民間企業全体の実雇用率は2.41%、法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%にとどまっており、多くの企業にとって等級区分の正しい理解とカウントルールの実務運用が、雇用率達成の分かれ目になっています。

出典・参考情報

よくある質問

身体障害者手帳の等級は誰が判定しますか?

等級は医師の診断書等に基づき、都道府県・指定都市・中核市が身体障害者福祉法の認定基準に沿って判定します。企業が独自に等級を決めることはできず、手帳に記載された等級をそのまま雇用率算定の基礎情報として扱います。

重度障害者を雇用すると雇用率算定はどう変わりますか?

身体障害者手帳1級・2級など重度に該当する常用労働者を雇用した場合、原則として1人の雇用を2人分としてカウントできます。ただし週の所定労働時間が短い場合はカウント方法が変わるため、雇用契約の内容と合わせて確認することが必要です。

法定雇用率2.7%を達成できないとどうなりますか?

常用労働者100人超の企業が法定雇用率を達成できない場合、不足人数に応じて障害者雇用納付金(1人当たり月額5万円、年60万円相当)を納付する義務が生じます。詳細な計算方法はJEEDの納付金制度の説明を確認してください。

等級が重いほど任せられる仕事は限られますか?

等級は身体機能の状態を示す指標であり、必ずしも業務遂行能力を意味しません。同じ等級でも障害の種類や本人の状況によって得意な業務や必要な配慮は個人差が大きいため、面談や産業医の意見を踏まえて配属を個別に検討することが望ましいです。

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