除外率制度とは|対象業種・除外率の計算方法・廃止の経緯と段階的引き下げ・実務の確認点まで解説

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除外率制度とは|対象業種・除外率の計算方法・廃止の経緯と段階的引き下げ・実務の確認点まで解説

Inclusive Work 編集部

除外率制度とは|対象業種・除外率の計算方法・廃止の経緯と段階的引き下げ・実務の確認点まで解説

除外率制度とは、障害者が就業しにくいと考えられる一部の業種について、法定雇用障害者数を計算するときに、除外率に相当する労働者数を常用労働者数から差し引く経過措置的な制度です。制度そのものは2004年に廃止され、現在は除外率を段階的に引き下げながら縮小している途中です。

対象業種の企業では、除外率を差し引いた後の労働者数に法定雇用率2.7%を掛けて雇用義務人数を求めます。

除外率制度とは|対象業種・除外率の計算方法・廃止の経緯と段階的引き下げ・実務の確認点まで解説の要点まとめ

除外率制度の基本と目的

除外率制度は、障害者雇用促進法にもとづく制度です。機械の構造や作業の性質上、障害者が就業することが一般的に困難と考えられる職種が、相当の割合を占める業種が対象になります。そうした業種では、雇用義務を計算する際の分母となる労働者数から、あらかじめ一定割合を差し引くことが認められてきました。

この一定割合が「除外率」で、業種ごとに設定されています。建設業や医療業など、職務の内容から一律の雇用が難しいとされた業種が代表的です。ただし、どの業種にいくつの除外率が設定されているかは改定のたびに変わるため、自社の業種の最新値は厚生労働省の公表資料で確認する必要があります。

除外率は、対象業種であることを理由に障害者雇用を断ってよいという意味ではありません。あくまで雇用義務の人数を算定する際の調整の仕組みであり、除外率が設定された業種でも障害のある方が活躍している現場は数多くあります。

なお、障害の種類や程度、得意とする作業は人によって大きく異なり、個人差が大きい点にも留意が必要です。「この業種だから難しい」と一律に決めつけず、個々の職務との適合を見ていく姿勢が求められます。

除外率を使った法定雇用障害者数の計算方法

除外率が設定されている業種の事業主は、まず常用労働者数に除外率を掛けて「除外率相当労働者数」を出します。次に、常用労働者数からこの人数を差し引き、その結果に法定雇用率2.7%を掛けて、雇用しなければならない障害者の人数を求めます。端数の扱いは法令の定めに従うため、実際の申告では必ず公式の計算方法を確認してください。

たとえば常用労働者が1,000人、除外率が10%の企業を考えます。除外率相当労働者数は100人なので、算定の基礎となる労働者数は900人です。900人に2.7%を掛けると24.3人となり、端数を切り捨てて雇用義務は24人という計算になります。除外率がなければ27人ですから、3人分の差が生じます。

除外率の適用後の労働者数が、雇用義務の有無や納付金制度の対象規模を判断する基準になる点は、実務上とくに重要です。常用労働者37.5人以上の事業主に雇用義務が生じますが、除外率がある業種では、控除後の人数で見ることになります。

納付金についても、雇用義務を満たさない場合は不足1人あたり月額5万円、年間で60万円の納付が必要となります。対象は常用労働者100人超の事業主です。詳しい算定方法と申告手順は、JEEDの案内で最新の内容を確認してください。

廃止に至った経緯と段階的な引き下げ

除外率制度は、障害者雇用促進法の改正により、2004年(平成16年)4月に廃止されました。背景には、ノーマライゼーションの考え方が広がり、職場での支援機器や業務の工夫によって、障害のある方が働ける範囲が広がってきたことがあります。

ただし、廃止と同時に制度を完全になくすと、対象業種の企業に急激な負担がかかります。そのため、経過措置として当分の間、除外率が残されました。この除外率は、政策的に段階的に引き下げられています。

これまでに、2010年(平成22年)7月と2025年(令和7年)4月に、それぞれ10ポイントの引き下げが行われてきました。これは、同じ時期に見られた法定雇用率の引き上げと合わせて、対象業種の雇用義務人数にも影響します。法定雇用率は2.5%から2.7%へと引き上げられており、対象事業主の範囲も常用労働者40.0人以上から37.5人以上へと広がりました。

除外率の引き下げは、今後も制度の縮小に向けて進められていく方向性にあります。自社が対象業種であっても、除外率は固定の数字ではなく、時期によって変わり得るものとして扱うのが安全です。

除外率設定業種の企業が実務で確認すべきこと

まず確認したいのは、自社の主たる事業が除外率設定業種に該当するかどうかです。判断は、事業所単位ではなく、事業主として行う事業の内容で見ていく点に注意が必要です。複数の事業を営んでいる企業は、どの業種区分に当たるのか、管轄のハローワークに相談すると確実です。

次に、毎年の障害者雇用状況報告で、除外率を反映した人数で計算できているかを点検します。除外率が引き下げられた年度は、前年と同じ感覚で計算すると、雇用義務人数が変わっていることに気づかない場合があります。社内の担当者が交代しても計算根拠が分かるよう、算定シートや根拠資料を残しておくと引き継ぎがスムーズです。

実務の点検項目としては、次のようなものが挙げられます。

  • 自社の業種区分と、適用される最新の除外率
  • 常用労働者数の集計範囲と、除外率相当労働者数の計算結果
  • 現在の実雇用率と、雇用義務人数との差
  • 不足がある場合の採用計画や、納付金の見込み額

除外率の数値は年度や制度改正で変わるため、必ず厚生労働省やJEEDの最新資料で確認してください。ここでの説明は制度の考え方を示すものであり、個別の申告の判断は、ハローワークやJEEDの窓口に相談しながら進めるのが確実です。

除外率に頼らない障害者雇用の進め方

除外率は、雇用義務の人数を調整するための制度であり、障害者雇用を進めること自体を免除するものではありません。除外率が段階的に引き下げられていく以上、対象業種の企業も、中長期でみれば雇用義務人数が増えていく可能性があると考えておく必要があります。

まず有効なのは、職務の切り出しです。現場作業が中心の業種でも、事務補助、データ入力、備品管理、清掃、書類整理など、業務の一部を整理すると、障害のある方が力を発揮しやすい仕事が見つかることがあります。どの業務が合うかは、障害の種類や程度だけでなく、本人の経験や得意・不得意によっても異なり、個人差が大きい点を忘れないようにしてください。

採用にあたっては、実習の受け入れやトライアル雇用など、お互いに適性を確かめる機会を設けると、入社後のミスマッチを減らしやすくなります。ハローワークや地域の就労支援機関と連携し、配置後の定着支援も含めて計画を立てておくと安心です。

除外率の有無にかかわらず、実際の雇用状況は、民間企業全体の実雇用率2.41%、法定雇用率達成企業の割合46.0%という水準にあります。自社の現在地を、こうした全体の数字と見比べながら、無理のない計画を立てていくことが大切です。

出典・参考情報

よくある質問

除外率制度があると、その業種は障害者を雇わなくてよいのですか?

いいえ。除外率は、雇用義務の人数を計算するときに、常用労働者数から一定数を差し引く仕組みです。雇用そのものを免除するものではなく、除外率の適用後の人数に法定雇用率2.7%を掛けた人数の雇用義務が生じます。

除外率制度は今も残っていますか?

制度は2004年4月に廃止されましたが、経過措置として、除外率が設定されている業種では当面の間、除外率が適用されています。その除外率は段階的に引き下げられており、2010年7月と2025年4月にも10ポイントずつの引き下げが行われました。最新の除外率は厚生労働省の資料で確認してください。

除外率を使った雇用義務人数は、どのように計算しますか?

常用労働者数から、常用労働者数に除外率を掛けた人数(除外率相当労働者数)を差し引き、その結果に法定雇用率2.7%を掛けます。たとえば常用労働者1,000人、除外率10%なら、900人に2.7%を掛けた24.3人が基準となり、端数処理をして24人が雇用義務の人数です。実際の申告では、公式の計算方法に従ってください。

自社が除外率設定業種かどうかは、どこで確認できますか?

厚生労働省の障害者雇用に関する公表資料や、管轄のハローワークで確認できます。複数の事業を営んでいる場合は、業種区分の判断が分かれることもあるため、あらかじめ窓口に相談しておくと安心です。

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