法定雇用率未達成企業へのペナルティ|納付金の金額・雇入れ計画作成命令・企業名公表・実務対応まで解説

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法定雇用率未達成企業へのペナルティ|納付金の金額・雇入れ計画作成命令・企業名公表・実務対応まで解説

Inclusive Work 編集部

法定雇用率未達成企業へのペナルティ|納付金の金額・雇入れ計画作成命令・企業名公表・実務対応まで解説

法定雇用率(2.7%)を達成できない企業には、常用労働者100人超の場合は不足1人につき月額5万円(年60万円)の障害者雇用納付金が課され、改善が進まなければ雇入れ計画の作成命令や企業名の公表に進む可能性があります。納付金は罰金ではなく、雇用義務そのものを免除するものでもありません。

本記事では、ペナルティの種類と段階、企業規模による違い、未達成になったときの実務対応を整理します。

法定雇用率未達成企業へのペナルティ|納付金の金額・雇入れ計画作成命令・企業名公表・実務対応まで解説の要点まとめ

法定雇用率未達成で企業に課される3つの対応

法定雇用率が未達成の場合に企業が受ける対応は、大きく「障害者雇用納付金の徴収」「行政指導の段階的な強化」「企業名の公表」の3つに分けられます。いずれも障害者雇用促進法にもとづく仕組みです。

納付金は、雇用義務のある企業間の経済的な負担を調整するための制度です。障害者を雇用する企業には調整金や報奨金が支給され、その財源を未達成企業からの納付金で賄っています。そのため、単なる罰則というより「費用負担の公平化」という性格があります。

一方、行政指導や公表は、納付金を払えば済むというものではありません。ハローワークによる指導が入り、それでも改善が見られない場合に段階的に進みます。納付金を納めても、雇用義務が消えるわけではない点を押さえておく必要があります。

障害者雇用納付金の対象規模と金額

法定雇用率は現在2.7%で、対象となる事業主は常用労働者37.5人以上の企業です。改定前は2.5%、対象は40.0人以上でしたが、2.7%への引き上げにあわせて対象範囲も広がりました。

納付金の徴収対象は、常用労働者100人超の企業です。法定雇用率に対して雇用している障害者の数が不足している場合、不足1人につき月額5万円、年額に換算すると60万円を納付します。

たとえば不足が3人の企業であれば、単純計算で月額15万円、年額180万円の負担となります。なお、37.5人以上100人以下の企業は雇用義務の対象ですが、納付金の徴収対象ではありません。

100人以下の企業は納付金がない反面、雇用義務や報告義務は残るため、「払わなくてよいから対応不要」ではない点に注意してください。正確な算定方法や申告の時期は、JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の案内で確認しましょう。

雇入れ計画作成命令から企業名公表までの流れ

実雇用率が著しく低い企業に対しては、ハローワークが行政指導を行います。まず、障害者の雇入れに関する計画の作成を命じられる場合があります。これが「雇入れ計画作成命令」です。

計画を作成しても、その実施状況が不十分な場合は、計画を適正に実施するよう勧告を受けます。それでも改善しなければ、企業名が公表されることがあります。

公表されると、取引先や求職者、金融機関からの見え方に影響する可能性があります。採用活動や企業ブランドの面でも、無視できないリスクです。

金銭的な負担よりも、企業名公表による信用面の影響のほうが大きくなる場合があるため、早い段階での対応が重要です。指導の対象になる基準や運用は変更されることがあるため、最新情報は厚生労働省の公表資料で確認してください。

全国の達成状況と自社の位置づけ

厚生労働省の集計では、民間企業の実雇用率は2.41%で、法定雇用率2.7%には届いていません。法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%にとどまります。

つまり、半数以上の企業が未達成という状況です。「多くの企業が達成できていないから大丈夫」と考えるのは適切ではありません。

制度は段階的に引き上げられており、今後も雇用率が見直される可能性があります。現時点で達成していても、常用労働者数が増えると雇用義務のある人数が増え、未達成になることがあります。

自社の状況は、毎年報告する雇用状況の数値をもとに、実雇用率と不足人数を定期的に確認しておくと安心です。算定の対象には週の所定労働時間に応じたカウントの違いもあるため、人事システムの数値だけで判断せず、算定ルールを確認してください。

未達成になったときの実務対応

未達成が判明したら、まず不足人数を正確に把握します。そのうえで、採用計画、職務の切り出し、受け入れ体制の整備を順に進めます。

職務の切り出しでは、既存業務のうち、特定の担当者に集中している定型業務や周辺業務を洗い出します。障害の種類や程度、必要な配慮は個人差が大きいため、障害種別で一律に向き不向きを決めず、本人との面談で確認しながら業務を調整することが大切です。

採用チャネルとしては、ハローワーク、障害者職業センター、就労支援機関、特別支援学校などがあります。実習の受け入れやトライアル雇用を活用すると、雇用後のミスマッチを減らしやすくなります。

  • 不足人数と対象となる労働者数を確認する
  • 担当部署と責任者を決める
  • 職務内容と必要な配慮を整理する
  • 支援機関に相談し、採用計画を立てる

納付金を払い続けるコストと、採用・定着に向けた投資を比較し、中長期の計画を立てることが現実的な対応です。利用できる助成金は要件が細かいため、JEEDや厚生労働省の最新の案内を確認してください。

出典・参考情報

よくある質問

法定雇用率を達成できないと罰金を払うのですか。

納付金は罰金ではなく、雇用義務のある企業間の経済的負担を調整する制度です。常用労働者100人超の企業で不足がある場合、不足1人につき月額5万円(年60万円)を納付します。あわせて、状況によっては雇入れ計画の作成命令などの行政指導を受けることがあります。

常用労働者が100人以下の企業も納付金を払う必要がありますか。

納付金の徴収対象は常用労働者100人超の企業です。ただし、37.5人以上であれば法定雇用率2.7%にもとづく雇用義務の対象となり、報告義務もあります。納付金がなくても、雇用義務そのものは残ります。

納付金を払えば障害者を雇用しなくてもよいのですか。

いいえ。納付金を納めても雇用義務は免除されません。未達成が続くと、雇入れ計画の作成命令や勧告、企業名の公表につながる可能性があります。具体的な運用は、厚生労働省やJEEDの最新の案内でご確認ください。

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