障害者雇用の定着率の平均データはどう読む?厚生労働省・JEED調査の見方と定着率を高める具体的な工夫まで解説

採用がうまくいっても、定着しなければ求人・選考にかけたコストは回収できません。障害者雇用の定着率データは厚生労働省やJEEDが定期的に調査していますが、数字の読み方を誤ると自社の課題を見誤ります。本記事ではデータの読み方と、定着率を高める工夫を解説します。
定着率データを読むときの注意点
障害者雇用の定着率に関する調査は、障害種別・雇用形態・勤続年数の区切り方によって数値の出方が大きく変わります。単純に「定着率◯%」という数字だけを見て自社と比較すると、前提条件の違いを見落としてしまいます。
特に、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害では、必要な配慮の内容も、離職に至る理由の傾向も異なるとされています。調査結果を参照する際は、どの障害種別・どの期間(1年後、3年後など)を対象にしたデータかを必ず確認してください。
また、調査時点でのサンプル数や業種の偏りによっても数字は変動するため、単年度の数字だけで一喜一憂しない姿勢も重要です。
自社の定着状況を把握する方法
公的データとの比較の前に、まず自社の障害者雇用の定着状況を正確に把握することが先決です。入社日・障害種別・配属部署・離職理由(分かる範囲で)を一覧化するだけでも、傾向が見えてきます。
特定の部署や特定の業務内容で離職が集中している場合、業務の切り出しや配属先の配慮が不足している可能性があります。逆に長期定着している事例があれば、その要因(上司の関わり方、業務内容、配慮の運用方法)を言語化しておくと、他部署への横展開に活用できます。
定期的な面談記録を残しておくことで、離職の予兆(体調面の変化、業務量への不安など)を早期に把握しやすくなります。
定着率を高める工夫
入社後90日程度の初期段階でのフォローが、その後の定着に大きく影響するとされています。定期的な1on1面談、業務内容の振り返り、体調面の変化の確認を、この期間に重点的に行う企業が増えています。
- 入社後1週間・1ヶ月・3ヶ月といった節目で面談を設定する
- 配属先の上司・同僚にも配慮事項を共有し、孤立させない体制を作る
- 合理的配慮の申出窓口を明確にし、相談しやすい雰囲気を作る
面談の頻度を決めておくと、担当者が変わっても対応が途切れにくくなります。属人的な運用にせず、仕組みとして定着させることを意識してください。
これらは特別な予算をかけなくても始められる取り組みであり、まずは自社の受け入れ体制の棚卸しから着手することをおすすめします。
まとめ
定着率データは、前提条件を理解したうえで参照しないと、自社の課題を見誤る原因になります。公的データとの比較よりもまず、自社の定着状況を正確に把握し、入社後早期のフォロー体制を整えることが、定着率改善への近道です。
数字の比較にこだわりすぎず、自社で起きている離職の要因を一つひとつ潰していく地道な取り組みが、結果的に定着率の改善につながります。
受け入れ体制の設計や定着施策の優先順位づけに迷う場合は、外部の専門家に相談しながら整理する方法もあります。
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