IT・エンジニア職での障害者雇用の職務例|テスト・QA・ドキュメント整備・運用監視・障害種別ごとの配慮まで解説

障害種別・職種別ガイド

IT・エンジニア職での障害者雇用の職務例|テスト・QA・ドキュメント整備・運用監視・障害種別ごとの配慮まで解説

Inclusive Work 編集部

IT・エンジニア職での障害者雇用の職務例|テスト・QA・ドキュメント整備・運用監視・障害種別ごとの配慮まで解説

IT・エンジニア職の障害者雇用では、テスト・QA、ドキュメント整備、データ入力・整備、運用監視、社内ヘルプデスク補助のように、業務を切り出しやすい職務から始めるのが現実的です。成果物や進め方が文書で明確なため、配慮事項を整理しやすい職種でもあります。ただし、必要な配慮や得意な作業は障害種別だけでは決まらず、個人差が大きい点を前提に設計してください。

IT・エンジニア職での障害者雇用の職務例|テスト・QA・ドキュメント整備・運用監視・障害種別ごとの配慮まで解説の要点まとめ

IT・エンジニア職が障害者雇用と相性のよい理由

IT職では、仕様書・チケット・チャットなど、業務のやり取りが文字で記録されることが多くあります。口頭での曖昧な指示が減るため、指示の出し方を整えやすい職場環境をつくりやすい点が特徴です。

勤務形態の面でも、在宅勤務やフレックスタイムを導入している企業が多く、通勤負担や体調の波に合わせた働き方を検討しやすい職種です。一方で、すべての職務や企業で同じように運用できるわけではなく、セキュリティ要件や情報の取り扱いルールによっては出社が必要な場合もあります。

職種名で判断するのではなく、業務を工程ごとに分解し、切り出せる作業から任せることが、定着に向けた第一歩です。

なお、民間企業の法定雇用率は2.7%で、常用労働者37.5人以上の事業主が対象です。改定前は2.5%(対象は40.0人以上)でした。自社が対象かどうかは、厚生労働省の案内で最新の内容を確認してください。

開発・テスト・QA領域の職務例

開発領域では、プログラミングそのものだけでなく、周辺業務にも職務の候補があります。たとえば、テスト仕様書に沿った動作確認、不具合の再現手順の記録、テスト自動化スクリプトの保守などです。

コーディング業務では、既存システムの軽微な修正、コードレビューの一次確認、コーディング規約に沿った整形作業などを段階的に任せる例があります。最初は範囲を限定し、慣れてきた段階で担当領域を広げると、本人も周囲も負担を抑えやすくなります。

ドキュメント関連では、操作マニュアルの作成、仕様書の更新、ナレッジベースの整理などが挙げられます。成果物の基準(書式・完了条件・期限)をあらかじめ文書化しておくと、評価も指示も明確になります。

いずれも、本人の経験やスキル、体調の状況に応じて調整が必要です。職務の一覧を用意する際は、「この作業ができる人」ではなく「この作業を任せたい」という視点で書き出すと、面談時のすり合わせがスムーズです。

インフラ運用・サポート・データ関連の職務例

インフラ・運用領域では、サーバーやネットワーク機器の監視、アラートの一次切り分け、定型的な設定変更、資産管理台帳の更新などがあります。手順書が整備されている業務は、切り出しに向いています。

サポート領域では、社内ヘルプデスクの問い合わせ管理、アカウント発行・変更の手続き、PCキッティングの補助などがあります。電話対応が負担になる場合はチャットやメール中心の窓口に限定するなど、対応手段を調整する方法も考えられます。

データ関連では、データクレンジング、アノテーション、集計レポートの作成補助、BIツールのダッシュボード更新などが挙げられます。作業量や締切が明確な業務は、進捗の共有もしやすく、無理のないペース配分につながります。

これらは一例です。実際の職務は、自社の業務内容・セキュリティ方針・チーム体制に合わせて設計し、試行期間を設けながら見直していくことをおすすめします。

障害種別ごとの配慮の考え方(個人差が大きい前提で)

障害種別ごとに、配慮の傾向として語られる事柄はあります。たとえば、視覚障害のある方にはスクリーンリーダーや拡大表示への対応、聴覚障害のある方には会議での文字起こしやチャット中心の連絡などです。ただし、これらはあくまで一例で、同じ障害名でも必要な配慮は人によって大きく異なります。

精神障害や発達障害のある方では、指示の出し方、割り込み業務の頻度、作業環境の刺激、通院日程への配慮などが話題になります。内部障害や肢体不自由のある方では、勤務時間、休憩の取り方、設備面の調整が検討事項になります。いずれも個人差が大きく、一律に当てはめることはできません。

配慮事項は障害名から推測せず、本人との対話を通じて具体的に確認することが基本です。

面談では、「できないこと」だけでなく「どうすればできるか」「これまでどんな工夫をしてきたか」を聞くと、職務とのマッチングが具体的になります。必要に応じて、支援機関や産業医の意見も参考にしてください。

職務設計と合理的配慮を進める実務ステップ

まず、現場のIT部門と人事で、切り出せる業務を洗い出します。業務名、所要時間、必要なスキル、使用ツール、成果物の形式を一覧にすると、求人票や面談資料にそのまま活用できます。

次に、採用選考や実習の場で、実際の業務に近い作業を体験してもらう方法があります。本人にとっても職場との相性を確認でき、企業側も必要な配慮を具体的に把握できます。

入社後は、定期的な面談で業務量や体調、環境面の困りごとを確認します。配慮内容は一度決めて終わりにせず、業務や体調の変化に合わせて見直す運用が定着の鍵です。

また、周囲のメンバーへの情報共有の範囲は、必ず本人の意向を確認したうえで決めてください。助成金や支援制度の詳細・要件は、厚生労働省やJEEDの最新情報を確認し、自社が該当するかを確認しましょう。

出典・参考情報

よくある質問

IT職で障害のある方を採用する際、まず何から始めればよいですか。

まず社内の業務を工程ごとに洗い出し、テスト、ドキュメント作成、運用監視、データ整備など切り出せる作業を一覧にすることから始めるのが現実的です。そのうえで、応募者との面談で本人の得意分野や必要な配慮を確認し、職務とのすり合わせを行います。必要な配慮は個人差が大きいため、障害名だけで判断しないことが大切です。

在宅勤務でも障害者雇用は可能ですか。

可能な場合があります。IT職は業務の記録が文書で残りやすく、在宅勤務と相性のよい職務もあります。ただし、情報セキュリティの要件、業務内容、本人の状況によって適否は異なります。試行期間を設け、コミュニケーション方法や勤怠の確認方法を決めたうえで運用するとよいでしょう。

障害者雇用の制度や助成金の最新情報はどこで確認できますか。

法定雇用率や助成制度などの制度情報は、厚生労働省およびJEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の公式サイトで公表されています。改定が行われることがあるため、実務で使う際は必ず最新の情報を確認してください。

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