特別支援学校との関係づくりを始める手順|実習受入れから採用につなげる年間スケジュール例

母集団形成・応募が来ない対策

特別支援学校との関係づくりを始める手順|実習受入れから採用につなげる年間スケジュール例

Inclusive Work 編集部

特別支援学校との関係づくりを始める手順|実習受入れから採用につなげる年間スケジュール例

特別支援学校との関係づくりは、まず進路指導担当の先生に連絡して学校見学や職場見学の受入れを申し出て、そこから現場実習の受入れへ段階的に進めるのが基本の手順です。実習を通じて互いの理解を深め、翌年度以降の採用につなげる流れを年間スケジュールに落とし込むと、担当者が替わっても続けやすくなります。

特別支援学校との関係づくりを始める手順|実習受入れから採用につなげる年間スケジュール例の要点まとめ

特別支援学校との関係づくりが母集団形成に効く理由

求人を出しても応募が来ない企業では、学校や支援機関との接点がないことが背景にある場合があります。特別支援学校には、卒業後の進路を一緒に考える進路指導担当の教員がいます。教員は生徒の得意なことや配慮が必要な場面をよく把握しているため、企業側の職場環境と生徒の特性を見比べて、実習先や就職先を考えます。

法定雇用率は現在2.7%で、対象となる事業主は常用労働者37.5人以上に広がっています。改定前は2.5%から2.7%へと段階的に引き上げられた経緯があり、新たに雇用が必要になった企業も増えています。こうした企業にとって、学校との関係づくりは採用の入口を広げる手段の一つです。

学校との関係は、求人票を一度送るだけでは築けません。実習の受入れを重ねて信頼を積み上げることが、結果的に採用につながります。

ただし、学校ごとに生徒の障害の種類や状況、進路指導の方針は異なります。障害の特性や必要な配慮は個人差が大きいため、「特別支援学校の生徒はこうだ」と一律に捉えず、一人ひとりの様子を確認する姿勢が大切です。

最初の一歩:連絡先の探し方と初回コンタクトのポイント

まず、自社の所在地を管轄する都道府県や市区町村の特別支援学校を、教育委員会のウェブサイトなどで調べます。通勤圏内にある学校を優先して候補に挙げると、実習や通勤の想定がしやすくなります。ハローワークの専門援助部門や地域の障害者就業・生活支援センターに相談すると、学校とのつなぎ役になってくれることもあります。

初回の連絡は、進路指導担当の先生宛てに電話か書面で行うのが一般的です。伝えたい内容は次のとおりです。

  • 会社の事業内容と所在地、最寄り駅や通勤手段
  • 受入れ可能な仕事の例(清掃補助、軽作業、事務補助、データ入力など)
  • 見学や実習を検討していること
  • 社内の窓口担当者の氏名と連絡先

初回は採用の話を前面に出さず、「職場を知ってもらい、学校の考え方を教えてほしい」という姿勢で伝えると、相談が進みやすくなります。

学校側は年度ごとの行事や実習の時期が決まっているため、いつ頃までに連絡があると調整しやすいかも、あわせて尋ねておくと良いでしょう。

実習受入れの準備:社内体制と業務の切り出し

実習は、生徒にとっては働く経験の場であり、企業にとっては生徒の様子や自社の受入れ体制を確かめる場でもあります。受入れ前に、実習中の担当者と、困ったときの相談先を決めておきます。担当者が一人に偏ると負担が大きくなるため、現場の指導役と人事担当を分けて、複数人で支える形が望ましいです。

実習で任せる仕事は、既存の業務を細かく分けて切り出します。手順書を写真付きで作り、作業の流れが見えるようにすると、実習生にも現場の社員にも分かりやすくなります。

  1. 業務の一覧を作り、切り出せる作業を選ぶ
  2. 作業ごとの手順書と完成の目安を用意する
  3. 休憩の取り方や指示の出し方を事前に決める
  4. 学校の先生と、配慮事項や緊急時の連絡方法を打ち合わせる

事前の打ち合わせで、生徒本人の得意な作業や配慮してほしい点を学校から聞いておくことが、実習の質を左右します。

配慮の内容は生徒ごとに異なるため、事前に聞いた情報を他の社員へ共有する際は、本人や学校の意向を確認し、必要な範囲にとどめます。

年間スケジュール例:見学から採用までの流れ

学校の実習や進路指導の時期は学校ごとに異なるため、以下はあくまで一例です。実際の時期は、各学校の先生に確認して調整してください。

  • 春(4〜6月):学校へ初回連絡、進路指導担当と面談、学校の年間予定の確認
  • 初夏〜夏(6〜8月):職場見学や保護者向け説明の受入れ、業務の切り出しと手順書作り
  • 秋(9〜11月):現場実習の受入れ、実習後の振り返りを先生と実施
  • 冬(12〜2月):採用を検討する場合の条件面の相談、求人票の提出、必要に応じた追加実習
  • 春先(2〜3月):内定後の入社準備、職場定着に向けた支援体制の確認

採用の判断を急がず、見学、実習、振り返りの順に段階を踏むことで、企業と生徒の双方がミスマッチを減らしやすくなります。

入社後も、学校の先生や地域の支援機関と連絡を取り続けると、困りごとが起きたときに早めに相談できます。支援制度や助成金は条件が細かく定められているため、利用を考える際は厚生労働省やJEEDの最新情報を確認してください。

関係を続けるためのコツと担当者交代への備え

関係づくりで見落とされがちなのが、継続性です。実習を受け入れた年だけで終わらせず、毎年の年間予定に学校との連絡を組み込みます。担当者が替わっても続くよう、学校ごとの連絡履歴、実習で担当した業務、振り返りの内容を共有フォルダに記録しておきます。

実習後は、生徒本人と学校の先生に感謝を伝えるとともに、気づいた点を率直に共有します。良かった点だけでなく、次回に改善したい点も話し合うと、信頼が深まります。結果として採用に至らなかった場合も、理由を丁寧に伝えれば、次の年度につながる関係が保てます。

採用に結びつかない年があっても、関係を続けること自体が、数年後の応募につながる投資になります。

また、社内の理解を広げるため、実習の様子を社内報などで共有する方法もあります。ただし、生徒の個人情報や障害の内容に関わる情報は、本人と学校の同意が得られる範囲に限って扱ってください。

出典・参考情報

よくある質問

特別支援学校に最初に連絡するのは誰宛てが良いですか?

一般的には、進路指導(進路担当)の先生宛てに連絡します。学校によって窓口の名称は異なるため、代表電話で「企業の職場見学や実習の受入れについて相談したい」と伝えると、担当者につないでもらえます。

実習を受け入れたら、必ず採用しなければなりませんか?

実習は、生徒が働く経験を積み、企業と生徒が互いを知るための機会であり、受入れが採用を約束するものではありません。ただし、事前に学校へ「採用を前提とするか、理解を深める目的か」を伝えておくと、認識のずれを防げます。

特別支援学校の生徒には、どんな仕事を任せれば良いですか?

障害の特性や得意なことは個人差が大きく、一律に決められません。まず自社の業務から切り出せる作業を整理し、学校の先生から生徒の様子を聞いたうえで、本人に合う作業を相談しながら決めるのが現実的です。

関係づくりはどのくらいの期間を見込めば良いですか?

学校や地域によって異なりますが、初回連絡から実習受入れまでに半年から1年程度かかる場合があります。年間スケジュールに組み込み、複数年にわたって続ける前提で計画すると進めやすくなります。

自社の受け入れ体制、どこまで整っていますか?

16項目の無料セルフチェックで、採用ページ・受け入れ体制・定着支援・業務設計の現在地を3分で診断できます。→ 受け入れ体制診断チェックリストをやってみる

関連記事

採用ページの情報開示、見直してみませんか。

職務・配慮・選考・キャリアの4点を棚卸しし、応募が来る採用ページを制作します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました