士業事務所のLINE公式アカウントで、友だち追加は増えているのに、その後の配信が「お知らせの一斉送信」だけになっていませんか。ステップ配信は設計と文面づくりに時間がかかり、法的表現の確認まで考えると、つい後回しになりがちです。この記事では、士業のLINE公式ステップ配信をAI(Claude)で設計し、半自動で運用する流れを、LINE Messaging APIやLステップとの使い分けも含めて解説します。読み終えるころには、自事務所で何をAIに任せ、どこを人が確認すべきかが具体的に見えるはずです。

士業のLINE公式ステップ配信にAIを使うとは
士業のLINE公式ステップ配信へのAI活用とは、配信シナリオの設計と文面の下書きをAIに任せ、法的表現の確認と公開の判断を士業が担う運用のことです。
ステップ配信は、友だち追加の日を起点に、あらかじめ決めた順序と間隔でメッセージが自動で届く仕組みです。たとえば相続を扱う事務所なら、追加直後にあいさつと事務所の紹介、翌日に初回相談の流れ、3日後に相続手続きの一般的な期限の考え方、7日後に初回相談の案内、といった順で届けます。一斉配信と違い、見込み客の「知りたい順番」に合わせて信頼を積み上げられる点が強みです。
一方で、運用が止まる原因はほとんどの場合、設計と文面づくりです。6〜7通のシナリオを組むだけでも、構成を考え、各通を書き、直す作業に数時間から1日程度かかるのが目安です。ここにClaudeを使うと、骨子と文面の複数案が数分で出てくるため、人が考える作業は「選ぶ・直す・確認する」に絞れます。
AIが書くのは「案」であり、それを公開してよいか決められるのは、資格を持つ士業自身です。弁護士法をはじめ各士業法には、業務広告や資格者以外による業務の制限があります。そのため私たちは、全自動ではなく「機械チェック+人間の最終確認を残す半自動」を前提に設計することをおすすめしています。
配信そのものは自動で動かしてかまいません。ただし、文面が配信リストに載る前に、必ず人の目を通す工程を置きます。この線引きが、AIを使いながら事務所の信用を守るための土台になります。
ステップ配信の文面と分岐をClaudeで設計する方法

ステップ配信の設計は、事務所の前提情報をClaudeに渡し、シナリオ全体案、各通の文面案、分岐案の順に出力させ、士業の確認後にLステップかMessaging APIへ登録する流れで進めます。
最初に渡すのは、対応分野、想定する相談者像、事務所名や所在地の表記ルール、使わない表現の一覧です。ここで注意したいのは、実際のご依頼者の相談内容や個人情報を入力しないことです。架空の相談者像で十分に設計できますし、情報の取り扱いに不安を残さずに済みます。
次に、Claudeへ「14日間で6〜7通、1通につき目的は1つ」といった条件を伝え、シナリオの骨子を出させます。通数や間隔はあくまで目安ですが、見込み客のLINEは流し読みされやすいため、1通あたり200〜400字程度に収める設計が扱いやすいです。各通は3パターンずつ出させ、事務所の雰囲気に合うものを選んで直します。
分岐は欲張らず、最初は3系統までにするのが現実的です。たとえば追加直後に「相続」「遺言」「生前対策」のボタンで関心分野を選んでもらい、選択に応じて以降の配信を切り替えます。さらに、案内ページのURLをクリックしたかどうかで、初回相談の案内を早めに出すか、解説をもう1通挟むかを分けます。この分岐の条件文までClaudeに書き出させておくと、設定作業がぶれません。
登録先は2通りあります。Lステップなら、管理画面でシナリオとタグを設定でき、プログラミングは不要です。LINE Messaging APIで自作する場合は、友だち追加のイベントをWebhookで受け取り、日数に応じて送信する仕組みを組むため、独自の管理画面や他システムとの連携ができます。多くの士業事務所では、まずLステップで始め、独自の連携が必要になった段階でAPIを検討する順序が無理のない進め方です。
法的表現と個別相談にあたらない範囲を確認する方法
法的表現と個別相談の確認は、Claudeによる機械チェックで疑わしい箇所を洗い出し、そのうえで士業が全通を読んで最終判断する二段階で行います。
機械チェックでは、文面を作る場面とは別の指示でClaudeにレビューを任せます。「必ず」「絶対」「確実に解決」「最安」「日本一」のような断定や比較優良の表現、報酬や結果を誤認させかねない言い回しを抜き出させるイメージです。禁止表現の一覧は、各士業会の広告に関する規程や自事務所の方針に合わせて作り、運用しながら育てていきます。
もう一つの確認が、個別相談にあたらないかどうかです。ステップ配信では、ボタンの選択に対して自動返信が出るため、返信文が相談者の個別事情に踏み込みやすくなります。自動返信が「あなたの場合は〜です」と断定した時点で、個別の法的判断を示している恐れがあります。配信文では制度の一般的な説明にとどめ、個別の判断は初回相談で行うと明記する書き方が安全です。
Claudeには「個別の事情に当てはめた断定になっていないか」という観点でも指摘させられます。ただし、これはあくまで補助です。AIは文脈上の微妙な判断を見落とすことがあるため、最終的には士業が全通を読み、確認した日付と担当者を記録に残してください。
法改正や制度変更で古くなる記述も出てきます。期限や要件に触れる通は、たとえば半年ごとに見直す日を決めておくと安心です。友だちが返信してきた内容を後から分析する場合も、個人情報の扱いと利用目的の通知を整えてから、必要な範囲に限ってAIへ渡す運用にしましょう。
士業のステップ配信運用にかかる費用は
士業のステップ配信運用にかかる費用は、LINE公式アカウントの配信プラン、Lステップなどの配信ツール、Claudeの利用料の3つに分かれ、金額は各社が随時改定するため最新の料金ページで確認する必要があります。

実際には、配信通数が増えるほどLINE公式アカウント側の料金が変わります。友だち数が数百人の段階では低い料金帯で収まることが多い一方で、ステップ配信を始めると1人あたりの受信通数が増えるため、通数の見積もりが大切です。1か月の配信通数は、友だち追加数、シナリオの通数、分岐後の配信を掛け合わせて、事前に試算しておきましょう。
Claudeの利用料は、文面案の生成とチェックだけであれば、配信ツールの月額に比べて小さく収まるのが一般的です。むしろ費用の中心は、初期設計で士業が確認に使う時間です。6〜7通のシナリオで、確認と修正に数時間を見込むのが目安になります。
Lステップと、Messaging APIでの自作を比べると、コストの出方が異なります。Lステップは月額費用が継続的にかかる代わりに、設定だけで始められます。自作は月々の固定費を抑えやすい反面、開発と保守の費用が必要です。友だち数が少ない段階で自作に踏み切ると、開発費が配信ツールの月額を大きく上回りやすく、費用対効果が合いにくくなります。
私たちは、AI実装・業務設計として、Claudeを使った文面生成やチェックの仕組みの組み込みをお手伝いしています。どこから導入すべきか迷う場合は、AIアドバイザリーで費用対効果の試算と実装ロードマップを整理することも可能です。配信する記事や解説コンテンツの制作・分析改善には、メディア運用・コンテンツも活用いただけます。
よくある質問
士業がLINE公式のステップ配信にAIを使っても問題ありませんか?
AIで文面の下書きを作ること自体は問題になりにくいですが、公開前に士業が法的表現と広告規程への適合を確認する必要があります。AIの出力をそのまま配信せず、人の最終確認を残してください。
ステップ配信の文面はClaudeでどこまで作れますか?
シナリオの骨子、各通の文面の複数案、分岐の条件文までは下書きとして作れます。事務所の方針に合う表現への調整と、個別相談にあたらないかの判断は士業が行います。
LステップとLINE Messaging APIはどちらから始めるべきですか?
多くの場合は、設定だけで始められるLステップが先です。他システムとの連携や独自の管理画面が必要になった段階で、Messaging APIでの自作を検討すると無理がありません。
ステップ配信は何通くらいで設計すればよいですか?
目安としては、14日前後で6〜7通、1通につき目的を1つに絞る設計が扱いやすいです。実際の反応を見ながら通数と間隔を調整してください。
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