障害者転職のオープンポジション求人とは?メリット・デメリット

障がい者の転職活動において、必ずオープンポジション求人を受けることになると思います。一般的な中途採用では、経理部や人事部など具体的な職種名が記載されていますが、障がい者転職の場合、多くはオープンポジションとなっています。本記事では、オープンポジション求人の概要、その特徴、メリット・デメリット、そして活用方法について詳しく解説します。

1. オープンポジション求人とは?

オープンポジション求人とは、応募時点で具体的な職種や職務内容を限定せずに募集を行う求人のことです。障がい者転職においては、特定の部門や職種に絞らないことで、幅広い職務機会を提供することを目的としています。

1.1 一般的な求人との違い

一般的な中途採用では、経理部人事部など、具体的な職種名が明記されています。しかし、障がい者転職のオープンポジション求人では、応募時に職種が特定されていないため、選考が進むにつれて具体的な配属先が決定されます。この柔軟なアプローチは、多様なバックグラウンドを持つ求職者に対して適切な職務を提供するためのものです。

2. オープンポジション求人の特徴

オープンポジション求人は、応募者と企業双方にとって柔軟な選択肢を提供します。

2.1 応募段階での柔軟性

オープンポジションでは、応募時に職種や部門が限定されていません。そのため、応募者は自身の経験やスキルに基づいて、企業側が適切と判断する職務に配属される可能性があります。これにより、多様なキャリアパスが開かれます。

2.2 ポテンシャル採用との共通点

オープンポジション求人は、ポテンシャル採用とも呼ばれます。どちらも、募集時には具体的な職務内容やスキル要件が明確でない点が共通しています。選考が進むにつれて、応募者の適性に応じた職務が提示されるため、柔軟な人材配置が可能となります。

2.3 幅広い応募資格

オープンポジション求人では、求められる経験やスキルが具体的でない場合が多く、社会人経験1年や事務経験など、比較的柔軟な条件が設定されています。これにより、未経験者や異業種からの転職希望者にも門戸が開かれています。

3. オープンポジション求人のメリット

オープンポジション求人には、以下のような多くのメリットがあります。

3.1 様々な部門への配属チャンス

オープンポジションを利用することで、応募者は多様な部門に配属されるチャンスを得られます。これにより、自身の適性や興味に応じた最適な職務に就くことが可能です。

実際、私は現在、外資系投資銀行の人事部に勤めていますが、人事部で働くのは初めてです。オープンポジションでの募集であった結果、人事部の現在の業務が適切と認識されて、アラフォーでも未経験が可能になりました。

3.2 幅広い応募者層の受け入れ

最初の募集段階で職種を限定しないため、高卒や社会人経験がない人でも応募しやすくなります。これにより、多様なバックグラウンドを持つ求職者が集まり、企業側も幅広い人材を選考することができます。

3.3 企業側の柔軟な人材配置

企業は、応募者のスキルや適性に基づいて最適な部門に配置できるため、人材の有効活用が図れます。これにより、企業全体のパフォーマンス向上にも寄与します。

3.4 適材適所の実現

選考が進むにつれて、応募者の強みや適性が明確になるため、適材適所の配置が可能となります。これにより、求職者も自身の能力を最大限に発揮できる職務に就くことができます。

人事は各部門から業務のニーズをヒアリングしている為に、面接の結果、他部門の仕事だけどもマッチする職種も少なくありません。

4. オープンポジション求人のデメリット

一方で、オープンポジション求人にはいくつかのデメリットも存在します。

4.1 職務内容の不明確さ

応募時に具体的な職務内容が明示されていないため、自分に合った職務かどうかの判断が難しい場合があります。これにより、入社後に期待と異なる業務に配属されるリスクがあります。

オープンポジションとは言え、職歴や資格で経理の可能性が高いと思いきや、営業支援…ということも大いにあり得るので、エントリーしてみないと分からないところがあります。

従って、エントリー時に特定の職種に対してアピールしにくいところがあります。というのも、それ以外の職種の可能性を狭めてしまうこともあるからです。どうしてもこの企業で働いてみたいという場合、アピール方法を工夫する必要があります。

4.2 選考プロセスの不透明さ

選考が進むにつれて配属先が決まるため、選考プロセスが不透明に感じられることがあります。応募者は選考の進行状況や配属先の決定基準について不安を感じることがあります。

4.3 配属先の限定

一部の企業では、オープンポジション求人を利用しても、実際に配属される部門が限られる場合があります。これにより、多様な選択肢が提供されない可能性があります。

4.4 キャリアプランの不明確さ

具体的な職務が決まっていないため、長期的なキャリアプランを描きにくいというデメリットもあります。応募者は自身のキャリアビジョンに合った職務に就けるかどうか不安を抱くことがあります。

無事に内定で職種が決まったとしても、具体的な仕事や必要となるスキルが明確になるのは入社になってからという場合が多く、入社に向けて準備するというのがしにくいです。

5. オープンポジション求人の活用方法

オープンポジション求人を効果的に活用するためには、以下のポイントに注意することが重要です。

5.1 自身の強みと適性を理解する

応募者は、自身の強みや適性を明確に把握することが重要です。これにより、選考過程で適切な職務に配属される可能性が高まります。

5.2 企業の選考プロセスを理解する

企業ごとにオープンポジション求人の選考プロセスや配属基準が異なるため、事前に理解しておくことが重要です。これにより、選考に備えた準備ができます。

5.3 柔軟な姿勢を持つ

オープンポジション求人では、柔軟な姿勢が求められます。さまざまな職務に対応できる柔軟性を持つことで、選考の際に有利に働きます。

5.4 面接でのアピールポイントを整理する

面接時には、自身の強みやスキル、適性を明確にアピールすることが重要です。これにより、企業側が適切な職務に配属しやすくなります。

私の例:オープンポジションで可能性が広がった障がい者でのキャリア

外資系投資銀行はほとんどの企業が通年で障がい者採用を募集中です。求人には、経理や人事、法務、ITなどというような記載で、どこに配属されるのか、どのようなスキルが重視されるのか全く分かりません。

企画系や経理での経験が多かったので、オープンポジションでは2次面接として経理を打診されることがほとんどでした。ただし、外資系投資銀行だけはなぜか、人事部を紹介されました。

私の場合、職種というより、とにかく投資銀行で勤務したいということが大きかったので、人事で働くことに決めました。人事の専門用語が分からず、いまだに難しいことも少なくないですが、人事でよかったなと思っています。

人事では障がい者採用の仕事以外に、労働時間の管理を担当しています。この仕事は大量のデータと格闘する作業であり、経理や企画での数値を扱う経験が活きています。また、プロジェクトも担当することになり、プロジェクトマネジメント経験があったからこそ、人事部に向いていると判断されたのかなと感じています。

7. まとめ

オープンポジション求人は、障がい者転職において柔軟な職務選択を可能にし、多様な人材の活用を促進します。メリットとしては、様々な部門への配属チャンスや幅広い応募資格が挙げられます。一方で、職務内容の不明確さや選考プロセスの不透明さといったデメリットも存在します。これらを踏まえ、効果的に活用するためには、自身の強みを理解し、企業の選考プロセスに対応できる柔軟な姿勢が求められます。

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