外資系投資銀行と日系証券会社の時間外労働の違い:労働時間の実態と背景
外資系投資銀行が長時間労働を強いられる理由
外資系投資銀行は、業界全体で最も残業が多い業界として広く知られています。
例えば、月45時間の時間外労働が規定されていますが、特例として年に6回まで80時間、年間で720時間働けるものの、実際にはこれでは足りないのが現実です。コロナ禍をきっかけに在宅勤務が導入され、多くの社員が自宅でサービス残業をしており、オフィスで働けない分をカバーしているのが実態です。
若手バンカーだと、実際の時間外労働時間が200時間を超えている人もいるのが実態。ある外資系投資銀行では在宅勤務で働いた時間は労働時間としてカウントされないところもあるほどです。
米国での事例と長時間労働の現状
アメリカでは、ある大手外資系投資銀行のアソシエイトが週100時間以上働き、心筋梗塞で亡くなった事例が報じられました。これを受けて、J.P.モルガンは労働時間を週80時間以内に抑えるよう働きかけました。
それでも、月に160時間働く計算となり、外資系投資銀行では長時間労働が当たり前となっているのです。
日系証券会社との違い
一方、投資銀行部門を持つ日系証券会社では、外資系投資銀行よりも労働時間が短い傾向にあります。
日系証券会社では、投資銀行部門に500人~1000人規模の従業員を抱えており、外資系の50人~200人規模のチームと比べると、人的リソースに大きな差があります。結果として、日系証券会社は一人当たりの労働時間が短くなる傾向があり、一般的には外資系の方が労働時間が長いです。
企業規模と案件の違い
外資系投資銀行は、少数精鋭のアプローチで大きな案件を狙う傾向があります。
一方、日系証券会社は中小企業向けの案件も多く扱い、M&Aリーグテーブルでは、日系企業が二桁の案件数を持つのに対し、外資系は一桁の数にとどまることが多いです。
法律と労働環境
外資系投資銀行は、グローバルな労働環境に基づき、長時間労働が常態化しています。
これに対し、日系企業は日本の労働基準法に基づいて働くため、労働時間の管理がより厳しく、規制を守る形で運営されています。
アソシエイトの役割と残業規制
外資系投資銀行では、アナリスト、アソシエイト、ヴァイスプレジデント、マネージングディレクターという階層があり、アソシエイト以上は管理監督者として扱われ、残業規制が適用されません。
そのため、アソシエイトはアナリストよりも長時間働く傾向があり、月80時間を超えることも可能ですし、会社としても採用戦略としてアナリストよりもアソシエイトを採用したい傾向にあります。
まとめ
時間外労働時間を適切に管理するのは簡単ではありません。
勤務先では様々な工夫をしながら労働時間を管理し、法律を遵守しています。
このような実務経験をもとに、当社の労働時間管理支援サービスでは、外資系投資銀行での経験を活かしたアドバイスを提供しています。労働時間の管理に関するお悩みがあれば、ぜひご連絡ください。