ADHD・ASDなど発達障害に向いた仕事内容

発達障害者にとって、適した職場や仕事内容を見つけることは、彼らのパフォーマンスを最大限に引き出すために重要です。ADHDやASDの特徴や症状を理解し、それに基づいた適切な配慮を行うことで、彼らが得意とする能力を活かすことができます。本記事では、発達障害の特徴や適した仕事内容について、合理的な配慮とともに解説していきます。


ADHD・ASDの特徴と合理的配慮

ADHDの特徴・強み・弱み

ADHD(注意欠如・多動症)の主な特徴には、注意力の散漫さや衝動的な行動、多動性があります。彼らは新しいアイデアを生み出すのが得意で、好奇心旺盛で新しいことにチャレンジしやすい傾向があります。特に短期間で多くのタスクをこなすプロジェクトや、アイデアを発想する企画業務などに向いています。

強み: 新しいアイデアの発想、マルチタスクが得意、エネルギッシュ

弱み: 注意散漫になりやすい、細かい作業が苦手、予定通りに進めることが難しい場合がある

合理的配慮:

  • 時間管理サポート: 進捗管理アプリやタスク管理ツールの導入で、効率よく作業を進めやすくします。
  • 静かな環境の提供: 気が散りやすいため、個室やパーテーションで区切られた静かな環境を整備することが有効です。

ASDの特徴・強み・弱み

ASD(自閉スペクトラム症)の特徴には、社会的コミュニケーションの苦手さや感覚過敏、こだわりの強さが挙げられます。ASDの方は、特定の興味や関心が非常に深いことが多く、ルーチン業務や専門性の高い業務においては一般社員以上の成果を出すことができます。

強み: 細部への集中力、継続力が高い、専門性を深めるのが得意

弱み: コミュニケーションが苦手、環境の変化がストレスになる、柔軟性に欠けることがある

合理的配慮:

  • 静かな作業スペース: 感覚過敏がある場合は、音や光の少ない環境を提供することで集中力を発揮しやすくなります。
  • シンプルな指示: 明確な指示や視覚的なタスク管理が役立ちます。具体的な作業指示を提供することで、不安を軽減し仕事に集中できる環境を作れます。

最近増加している発達障害者の認知と「大人ADHD」の増加

近年、「大人ADHD」という言葉が注目されているように、成人になってから発達障害と診断されるケースが増えています。これは、幼少期に見過ごされていたり、社会に出てから仕事の困難さから気づかれたりすることが原因です。特に、ADHDやASDの方はその個性や特性が大人になってからも強く現れるため、適切な配慮が必要です。

成人の発達障害者の増加により、職場においてもADHDやASDの方々が働きやすい環境の整備が求められています。彼らはふさわしい仕事にマッチすれば、一般社員以上にパフォーマンスを発揮できるため、企業にとっても価値ある人材です。

実際、私もADHD・ASDと診断されたのは30代半ばの時でした。きっかけは妻の勧めでしたが、自分自身も1、2年前にADHDという病気を知ってから薄々気付いていた覚えがあります。


発達障害者に向いた仕事内容とビジネスサイドの協力

ADHDやASDの方々が最大限の能力を発揮できるようにするためには、人事部門だけでなくビジネスサイドの協力が不可欠です。現場の上司や同僚の理解と協力を得ることで、彼らが得意とする分野に集中しやすくなり、会社全体で成果を出しやすい環境が整います。以下は、発達障害者に適した仕事内容の例です。

1. ルーチンワークや専門性が高い仕事

ASDの方には、安定したルーチンワークやデータ解析、コーディングなどの専門的な分野が向いています。こだわりの強さと高い集中力を活かし、精度の高い成果を出しやすいため、専門職での活躍が期待できます。

2. 企画やアイデア発想の必要な仕事

ADHDの方には、柔軟な発想力を活かして新しい企画を立案するような仕事が適しています。商品開発や広告、マーケティングの分野で、独創的なアイデアを生み出す力が発揮されやすくなります。

3. 静かな環境でのリモートワーク

リモートワークは、特にASDの方にとって働きやすい環境です。オフィスの喧騒を避け、自宅で落ち着いて作業できるため、生産性が向上しやすく、企業にとってもメリットのある働き方です。

まとめ

ADHDは子供で3〜7%、大人でも2.5%の割合で診断を受けると言われています。決して珍しい障害ではありません。自分もつい最近そうだったように、実は大人ADHDという人は少なくないと思います。

障がい者採用支援サービスでは発達障害の人にマッチした仕事内容を一緒になって考えます。こだわりや個性が強い人が多いだけあり、マッチしたポジションを探すのは難しいですが、上手くいけば優秀な人材となります。