障がい者採用で優秀な候補者を集める方法|メリットとデメリット

障がい者採用において、企業がどのように優秀な人材を集めるかは重要な課題です。多様な人材の確保は、企業の成長と競争力向上に大きく貢献しますが、その一方で、優秀な障がい者人材を見つけることは簡単ではありません。本記事では、障がい者採用における採用方法の種類とそのメリット・デメリットを詳しく解説します。

1. 採用ページからの直接募集

メリット

  • 採用コストがかからない: 企業が自社の採用ページを通じて直接募集を行う場合、エージェントなど外部の手数料が発生しないため、コストを大幅に抑えることができます。
  • 候補者をコントロールできる: 直接募集では、応募者に対してダイレクトにアプローチし、応募から面接までのプロセスを自社で管理できるため、スピーディかつ柔軟な対応が可能です。
  • 採用ページの工夫次第で優秀な人材を集めやすい: 自社の採用ページに魅力的なコンテンツを掲載し、障がい者に向けた合理的配慮や社内のサポート体制を具体的に示すことで、興味を持つ優秀な候補者を集めることができます。

デメリット

  • 自社の認知度が低い場合、応募が集まりにくい: 特に知名度が低い企業や新興企業の場合、採用ページの流入が少なく、結果として応募者が集まりにくいことがあります。
  • ページの運用にリソースが必要: 魅力的な採用ページを作成・更新するためには、デザインやコンテンツ作成にある程度の時間やコストがかかります。

2. 転職エージェントからの紹介

メリット

  • 優秀な人材と出会える可能性が高い: 障がい者採用に特化した転職エージェントは、経験豊富でスキルを持つ人材のプールを保有しており、企業のニーズに合った候補者を紹介してもらうことができます。
  • 選考プロセスが効率化される: エージェントが事前に候補者のスキルや経験を把握しているため、企業にとって選考プロセスがスムーズに進むことが多いです。

デメリット

  • エージェント手数料が高額: 転職エージェントを利用する場合、採用が決まった後にエージェントに対して手数料を支払う必要があり、コストが高くなる傾向があります。
  • 企業側で候補者をコントロールしづらい: エージェントを介することで、企業が直接候補者にアプローチしにくく、コミュニケーションのズレが生じることもあります。
  • 障がい者の障害状況を把握できていない:最近では転職エージェントと候補者の面談はビデオ会議によるものが大半です。候補者を紹介される上で最も大事な候補者の障害状況を転職エージェントの担当者が十分に把握できていない場合があります。

3. 従業員の紹介 (リファラル)

メリット

  • 採用コストがかからない: 従業員からの紹介であれば、外部エージェントを使わないため、採用コストを抑えることができます。
  • カルチャーフィットが高い可能性: 紹介された候補者は、既存の従業員から推薦されているため、企業文化や価値観にフィットする可能性が高いです。

デメリット

  • 候補者が限られる: 従業員のネットワークに依存するため、紹介できる候補者の数や質に限りがあります。優秀な人材が必ずしも紹介されるとは限りません。
  • バイアスがかかる可能性: 紹介者の個人的な好みによって、候補者に対する評価にバイアスがかかることがあり、公平な選考が難しくなる場合があります。

4. 再雇用

メリット

  • 即戦力の確保: 以前働いていた社員を再雇用する場合、既に社内のルールや業務フローを理解しているため、スムーズに業務に取り組むことができます。
  • 信頼関係の構築が容易: 過去に勤務経験があるため、相互に信頼関係が築けており、迅速な業務遂行やチームワークが期待できます。

デメリット

  • スキルや知識の更新が必要な場合もある: 再雇用する社員が退職してから時間が経っている場合、新たな業務プロセスや技術に適応するための時間がかかることがあります。
  • 同じ課題を再度抱える可能性: 以前退職した理由が解決されていない場合、再度同様の課題が生じる可能性があります。

直接募集で安定的に優秀な人材を集めることが理想

障がい者採用において、最も安定的に優秀な人材を集められる理想的な方法は、採用ページからの直接募集です。転職エージェントや従業員の紹介も有効な手段ではありますが、採用コストや候補者のコントロール面で課題があります。特に、直接募集であれば、企業は候補者を直接管理し、採用プロセス全体を自社でコントロールできるという強みがあります。

さらに、採用ページの作り込み次第では、多くの候補者を集めることも可能です。魅力的で詳細な募集要項を掲載し、障がい者に向けた合理的配慮やサポート体制を明示することで、企業の姿勢が伝わり、優秀な人材を引き寄せることができるでしょう。

直接応募の候補者には基本的に面談

勤務先ではここで掲載した方法を全て実践していますが、個人的な見解としては直接募集で人材を集めることがベストだと思っています。
特に、弊社のような外資系投資銀行など世間では一般的ではない認知度の会社にとっては特にそうです。

というのも、候補者は自分自身でニッチな企業を探し応募してきている人なので働きたい気持ちが高いと思っています。
そのような候補者は実際にインタビューしてみると、志望理由や会社でやりたい事などに深みがあります。

このような背景もあり、直接応募してきた候補者には基本的に全員と面談をしています。
これは同業他社も同様な気がします。
私が投資銀行を一斉に直接応募したら全ての投資銀行から書類選考通過の連絡を頂き、面接まで進むことができました。

直接募集で人材を獲得していく為には採用ページの改善やダイバシティのイベント参加などが必要になってきます。
これを行う為には人事部だけでなく、ビジネスサイドの協力も欠かせませんし、予算も必要になってくるので、全社で取り組むことになります。


まとめ

障がい者採用を成功させるためには、適切な採用方法の選択が重要です。直接募集、エージェント、従業員紹介、再雇用それぞれにメリットとデメリットがありますが、採用コストの抑制や柔軟な管理が可能な直接募集が、長期的な視点では最も理想的な方法です。採用ページを魅力的に作り込み、企業の強みを打ち出すことで、優秀な障がい者人材を安定的に集めることができるでしょう。